吸血鬼は淫らな舞台を見る
「路地裏に逃げていきました。できたら先回りしてください」
瑠諏は振り返らずにサトウへ手早く伝言を残すと後を追った。
サトウは腹の痛みをこらえ、前屈みになりながら走った。
村尾がブロック塀に挟まれたアパートの裏を横歩きでスピードを落とさず器用に進むと、瑠諏も肩をすぼめて窮屈な軒下を苦もなく通過していく。
アパート敷地内の金網を飛び越えると、レンガが敷き詰められた路地裏というよりもしゃれた小道に出た。
両脇には赤土色のプランターが並び、白や紫色の花がまとめて植えられている。