ブルーローズの恋人

妃那は穏やかな性格で、少し人見知りな部分を除けば誰にでも好かれる優しい子だ。
真那とも今まで一度も喧嘩をした事が無く、優し過ぎるその性格が却って心配になってしまうくらい物柔らかな女の子。

けれど、今日のように興味本位で真那の容姿を揶揄するのを見ると、普段の大人しさはなりを潜めて本人以上に怒るのだ。

良くも悪くも、真那は自分の容姿が人目を惹くのを自覚している。

外見と性別が一致していない事に、好奇に染まった視線が不躾に投げられるのは昨日今日の話ではない。
容姿の中傷は小学生から今日までずっと付き纏っている。
幼い頃は言われる度に傷付き、自分自身が嫌いだと自棄になっていた時期もあったが、そのうち変わりようのない自身に諦めをつけた。

それからは他人に何を言われても気にしないようにしてきたが、妃那はそれを我慢出来ず許せないらしい。

「真那ちゃんは格好良くて可愛いのに、酷く言うなんて許せない」

それが妃那の口癖だったりする。

そう言ってくれる気持ちは嬉しいけれど、実の姉に不快な思いをさせてしまっているというのはやはり心苦しい。
何時からか、慰められていた立場から、自分は大丈夫だからと宥める側にすり替わってしまっていた。

なるべく妃那を刺激しないように実家以外は距離を置くようにしようとしたが、どういう訳か妃那は真那と一緒に居たがる。
それこそ、高校進学から同じ大学を受けるくらいに、妃那と真那はずっと一緒だった。

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