ブルーローズの恋人

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翌日の午後、大学の講義を終えてから真那は一人隣の市の繁華街に訪れていた。
佐和に教えて貰って書いたメモを片手に目的の場所を探す。

バイト先へは直接行けるのではなく、迎えの車に乗って移動するらしい。
どの辺りなのか、住所や建物の名前、電話番号等は教えて貰っていない。
というより、佐和も何も聞かされていないと言う。
ただ、最近オープンしたホテルで開催される催しのホールスタッフをする事だけ聞いていた。

場所が分からないのは少し不安に思ったが、佐和も以前に似たようなバイトを頼まれてやった事があると言っていたので、恐らく大丈夫だろうとバイトを承諾した。

人目を避けて過ごす事が多かった真那は、雑多な人混みが苦手だ。
大学も、最初の頃は人の多さに気分が悪くなったり疲れていたが、暫くしてそれも落ち着いたので人混みに対する免疫が付いたと思っていたけれど。

(やっぱり人の多い場所は苦手だなー……)

慣れない土地と行き交う人の多さに気圧されながら、スマートフォンに表示させた地図とメモに書いた場所の名前とを見比べる。

大学以外、出歩く事が極端に少ないので初めて訪れる場所では迷う事が多い。
近く迄来ていると思うのだが、それらしき目印が見当たらなかった。

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