ブルーローズの恋人
(どうしよう……)
佐和に電話してみようか。
何かあれば連絡して欲しいと、佐和の番号とメアドは聞いていた。
通行の邪魔にならないよう脇に逸れて立ち止まる。
番号を表示させてダイヤルボタンを押そうとしたが、手を止めて表示を消した。
(……予定が有るからバイトを替わってくれたんだし、邪魔しちゃ悪いよね)
道に迷ってしまうのを想定して早めに出てきたのだ。
予定の時間よりまだ30分くらいある。
この近くのコンビニかショップに入って聞けば、メモに書いた場所もきっと分かるだろう。
思い直して再び歩き始めると、程なく大通りの向かいにコンビニの目立つロゴが目に入った。
スクランブル交差点で信号待ちの人の群れの後方に並びながら、ふと、真那は自分の服装を見下ろした。
(服装の指定はされなかったけど、こんな格好で良かったのかな)
ホールスタッフと聞いたので、リクルートスーツとは違った少しデザインが効いている黒のスーツに白のシャツを着て来た。
元より華奢な身体に細身のスーツは良く映えて、ストイックな雰囲気を醸し出している。