せんせい
◆
『こころ』を読んで
3年B組 森田昌子
わたしはこの本を読んで、なんだか不思議な気分になりました。どうしてみんな死んでしまうのかな、と。
不思議なりにも、少しだけわかる部分がありました。それは、私にも、同じような経験があるなぁ、と思った部分です。ちょっと恥ずかしいけど、告白しちゃいます。(照)
主人公の“私”は、鎌倉の海で“先生”と出会います。その時、“私”の目に“先生”は特別に見えました。そして“私”はそのあと、“先生”の家に押しかけてしまいます。迷惑ではなかったのでしょうか。でも“先生”は優しいのではじめ拒否していましたが、“私”を追い返したりしませんでした。…わたしも、こんな風に先生の家に押しかけたいなってちょっと思いました。ちなみに、森先生は一人暮らしですか?
さて、最後に“先生”は、自分の過去の秘密を“私”に打ち明けます。親友の“K”と“お嬢さん”をめぐって恋の駆け引きをしたことです。わたしはここを読んで、ちょっとお嬢さんがうらやましくなりました。わたしも、こんな風に先生にプロポーズされた……いえ、何でもありません。聞かなかったことにしてください。
それで、結果は、“先生”の勝ちでした。Kは自殺してしまいます。わたしは、ここを読んで、命を粗末にしてはいけないんだと思いました。親からもらった大事な命ですから、失恋したくらいで死ぬなんて馬鹿げているって思いました。でも、大丈夫です。わたしは、打たれ強いのでへこたれません!森先生、どうでしょうか?
「諦めたらそこで試合終了だよ」って、わたしの尊敬する安西先生もおっしゃっています。だからわたしは、これからも勉強に恋に一直線でがんばろうと思います。この本は、わたしに勇気を与えてくれました。おわり。
◆◆
「…………………………・っ、」
「……百恵ちゃん?」
昌子が短時間で仕上げた“たたき台”を読み終えるやいなや、頭を抱えてうずくまってしまった百恵であった。