せんせい


◆◆


九月一日、午後6時。

西から射しこむ夕日が、校舎を茜色に染めていく。

カナカナカナ…裏山の森に住むひぐらしが、一日の終わりが近付いたことを告げている。


「… ふぅ、」

男の口からため息がひとつ洩れた。


「どーすっかな、これ…」

見つめる先には、大量の原稿用紙が山となって置かれていた。夏休みの残骸…いや、汗と涙の結晶か。何れにせよ、これを全部読むだけでも一苦労である。


「毎年くだらねぇのは多いが、このパターンは初めてだな…」





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