Bloom ─ブルーム─
「ふーん。で、女は?」
ドラムを“明宏”と呼んだその人は、ドラムの2つ目の質問には答えずに、立ち上がろうとする彼に手を貸す。
そして
「やっぱ寝過ごしたでしょ。はい千円!」
私に向かって右手を差し出してきた。
「勝手に賭けないでください」
「ちぇー。じゃあ俺また後ろに乗せてよ。鍵持ってるしょ?」
ドラムはやれやれという感じで走り去って行く。
目の前の長谷川大樹は自転車の後ろに乗る気満々でスタンバイしてた。
「また振り落としちゃうかもしれないですよ?」
「大丈夫。俺、結構運動神経いいんだよ?もう落ちないから。しかも、ハンドル、健の父ちゃんに直してもらったんだ。いい感じだろ?」
自転車を見ると、確かに不恰好だけど、前よりハンドルの位置が戻ってる。
「じゃあ、ちゃんと掴まっててくださいよ?」
自転車の鍵を渡して、もうすぐ来るバスに乗る選択肢もあるけど。
部活後の学生バスなら、吐き気するほどの混み具合じゃないけど。
2人乗りしたら、この先にある坂道は死ぬほどきついけど。
一緒に風をきる帰り道をみすみす逃す手はない。
──なんとなく。
ドラムを“明宏”と呼んだその人は、ドラムの2つ目の質問には答えずに、立ち上がろうとする彼に手を貸す。
そして
「やっぱ寝過ごしたでしょ。はい千円!」
私に向かって右手を差し出してきた。
「勝手に賭けないでください」
「ちぇー。じゃあ俺また後ろに乗せてよ。鍵持ってるしょ?」
ドラムはやれやれという感じで走り去って行く。
目の前の長谷川大樹は自転車の後ろに乗る気満々でスタンバイしてた。
「また振り落としちゃうかもしれないですよ?」
「大丈夫。俺、結構運動神経いいんだよ?もう落ちないから。しかも、ハンドル、健の父ちゃんに直してもらったんだ。いい感じだろ?」
自転車を見ると、確かに不恰好だけど、前よりハンドルの位置が戻ってる。
「じゃあ、ちゃんと掴まっててくださいよ?」
自転車の鍵を渡して、もうすぐ来るバスに乗る選択肢もあるけど。
部活後の学生バスなら、吐き気するほどの混み具合じゃないけど。
2人乗りしたら、この先にある坂道は死ぬほどきついけど。
一緒に風をきる帰り道をみすみす逃す手はない。
──なんとなく。