Bloom ─ブルーム─
その行為が、どれだけ目の前の女の子をドキドキさせてるかも知らずに。

でも、この人、天然ぶってるだけなんだってわかったのは

「でも、聞きたいのは、きっと違う事でしょ?」

そっと私の手元のFRISKから顔を上げて、目を見て聞いてきた時。

なんとなくわかってたけど。

見てないようでいろんな事見てる人なんだって。

気づかないふりして、案外全部気づいてたりするんだって。

「さっき、作曲してたの?」

「うん。してたよ」

「屋上で?」

「うん」

「ドラムの人と?」

「うん」

「女の子も一緒に?」

「……」

そこまで聞くと、歩いてた足を止めて、長谷川大樹は真顔になった。

「ドラムの人に聞かれました。『あんたは大樹に気があるの?』って。『今は女と一緒だから』って、『やめといた方がいい』って言われました。

秘密の場所、実は知ってる人いっぱいいるんだ?って思いました。

あ、でも、責めてるとかじゃなくて、なんでドラムの人は私にそんな事言うんだろうって思って。そしたらなんだかモヤモヤして気持ち悪くなっちゃって」


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