Bloom ─ブルーム─
FMラジオから流れる曲が変わった。
あまりメジャーじゃないけど、私の好きな曲。
切ないバラード。
「この歌、すきなんです」
聴きながら言うと、先輩はなぜか驚いた顔をして私を見た。
「あ、変?かな?でも、なんか優しくていい歌だから……」
変な趣味って思われたかな?
メロディーも歌詞も切ないものだから、それを好きっていうのは違うのかも。
でも、どこかに優しい気持ちが隠れてる、そんな歌だから。
それで、先輩が歌ったら、声にすごく合ってる気がする。
大樹先輩はなぜか黙ったままだった。
私、何か変なこと言っちゃったかな。
でも、箸を止めて何も話さない先輩は曲に耳を傾けてるようだった。
少しだけ、寂しそうに。
そんな先輩の横顔に、私は見とれてしまっていた。
「大樹ー、明宏がちょっと来いって。来週やる曲の調整したいって」
ちょうどそのとき、2階から健さんが降りてきた。
そして、私の視線を感じ取る。
「悪いね。大樹借りるよ?」
慌てて目をそらしたけど、健さんはニヤニヤしながら私に耳打ちしてきた。
「これ、食べ終えたら帰るので、気にしないで、どーぞ」
無意識だったからどれくらいの間大樹先輩を見つめていたかわかんない。
数秒な気もするし、数分あったかもしれないし。
いつから健さんが見てたかもわかんない。
「ごほっごほっ」
焦って啜ったラーメンで、むせてしまった。
あまりメジャーじゃないけど、私の好きな曲。
切ないバラード。
「この歌、すきなんです」
聴きながら言うと、先輩はなぜか驚いた顔をして私を見た。
「あ、変?かな?でも、なんか優しくていい歌だから……」
変な趣味って思われたかな?
メロディーも歌詞も切ないものだから、それを好きっていうのは違うのかも。
でも、どこかに優しい気持ちが隠れてる、そんな歌だから。
それで、先輩が歌ったら、声にすごく合ってる気がする。
大樹先輩はなぜか黙ったままだった。
私、何か変なこと言っちゃったかな。
でも、箸を止めて何も話さない先輩は曲に耳を傾けてるようだった。
少しだけ、寂しそうに。
そんな先輩の横顔に、私は見とれてしまっていた。
「大樹ー、明宏がちょっと来いって。来週やる曲の調整したいって」
ちょうどそのとき、2階から健さんが降りてきた。
そして、私の視線を感じ取る。
「悪いね。大樹借りるよ?」
慌てて目をそらしたけど、健さんはニヤニヤしながら私に耳打ちしてきた。
「これ、食べ終えたら帰るので、気にしないで、どーぞ」
無意識だったからどれくらいの間大樹先輩を見つめていたかわかんない。
数秒な気もするし、数分あったかもしれないし。
いつから健さんが見てたかもわかんない。
「ごほっごほっ」
焦って啜ったラーメンで、むせてしまった。