Bloom ─ブルーム─
そして、友里亜は私から離れると、机に置いてあったネックレスを手に取った。
「これをつけるとね、安心するの。私、きっとそれが石のパワーなんだとかって思い込んでたけど、違うんだね。
ライブの日、私ね里花を追いかけたんだけど見失っちゃって、携帯は繋がらないし、雨の中走り回ってたらだんだん不安になっちゃって。
気づいたら直人のバイト先の前で、直人を探してた。
直人はすぐに気づいて出てきてくれて、その顔を見たらすごくホッとしたんだ。
でも、私には勇君がいるから、ホッとした気持ちを石のせいにして」
小さなエメラルド。
友里亜の誕生石。
でも、“それを贈ったのが直人”っていう方が重要だったんだね。
「ねぇ、今日里花はなんで大樹先輩を追いかけられたの?」
「私?私は……健さんのおかげ?かな?背中を押してもらえたから。
あ、でも全然なんでもないんだよ?先輩の妹が産まれたから、その病院まで無理矢理連れてっただけで。
多分もっと嫌われた。へへ」
「里花はすごいよ。真っ直ぐで、私みたいに欲張らないもん。私、きっと2人とも失いなくなかったんだ。ずるいの」
「でも、答えを出したんでしょ?ずるくないよ?」
「ううん。私、里花の一生懸命な背中を見て、恥ずかしくなったの。勇君の隣にいながら、直人と杏奈ちゃんを見てたことが。
そしたら気づいたら『ごめんなさい」って言ってた。
勇君、気づいてたみたいで、私が謝ると『やっぱり、直人がいいの?』って。
寂しそうに聞く勇君に、私はごめんなさいしか言えなかった」
「これをつけるとね、安心するの。私、きっとそれが石のパワーなんだとかって思い込んでたけど、違うんだね。
ライブの日、私ね里花を追いかけたんだけど見失っちゃって、携帯は繋がらないし、雨の中走り回ってたらだんだん不安になっちゃって。
気づいたら直人のバイト先の前で、直人を探してた。
直人はすぐに気づいて出てきてくれて、その顔を見たらすごくホッとしたんだ。
でも、私には勇君がいるから、ホッとした気持ちを石のせいにして」
小さなエメラルド。
友里亜の誕生石。
でも、“それを贈ったのが直人”っていう方が重要だったんだね。
「ねぇ、今日里花はなんで大樹先輩を追いかけられたの?」
「私?私は……健さんのおかげ?かな?背中を押してもらえたから。
あ、でも全然なんでもないんだよ?先輩の妹が産まれたから、その病院まで無理矢理連れてっただけで。
多分もっと嫌われた。へへ」
「里花はすごいよ。真っ直ぐで、私みたいに欲張らないもん。私、きっと2人とも失いなくなかったんだ。ずるいの」
「でも、答えを出したんでしょ?ずるくないよ?」
「ううん。私、里花の一生懸命な背中を見て、恥ずかしくなったの。勇君の隣にいながら、直人と杏奈ちゃんを見てたことが。
そしたら気づいたら『ごめんなさい」って言ってた。
勇君、気づいてたみたいで、私が謝ると『やっぱり、直人がいいの?』って。
寂しそうに聞く勇君に、私はごめんなさいしか言えなかった」