Bloom ─ブルーム─
「あ、あのさ、友里亜、山本先輩に何かされたのか?」
「え?」
「さっき……泣いてたから」
結局、いつまで経っても友里亜しか見えてなかった直人。
友里亜の涙が気になってここまで来たんだ?
なのに、友里亜ったら
「な、直人には関係ないよ。平気だからほっといて」
なんて言う。
直人の前では意地っ張りになるんだから、不思議。
けど、いつになく真面目な顔をした直人は
「ほっとけないよ」
呟くように言った。
「ほっとけたらどんなに楽かと思うけど、ほっとけないんだよ」
「だって、直人には杏奈ちゃんがいるでしょ?今日も杏奈ちゃんの家に行ったんでしょ?
は、鼻の下伸ばして嬉しそうに帰って行ったじゃない」
「は?俺がいつ鼻の下伸ばした?見てないくせに勝手なこと言うなよ」
「見てるよ!いつも、手鏡に映る2人が楽しそうに笑ってるもん」
友里亜……髪を整えるふりして、直人を見てたの?
「──俺を、見てたの?」
プイッとそっぽを向く友里亜に、少し期待した風な直人。
よく見れば、友里亜は、目だけじゃなくて、頬もほんのり赤く染めている。
「山本先輩とは、さっき別れたみたいだよ」
私が言うと、直人はさらに期待を膨らませた顔をして、目の前の女神を抱き締める準備を始めた。
パシッ!
なのに直人の伸ばした手を、汚らわしいものを見るような目で見て、本気で振り払う友里亜。
「友里亜、どっち?」
思わず直人より先に、私が声を上げてしまった。
好きなの?嫌いなの?
直人も、振り払われた手を切なげに見つめてる。
「え?」
「さっき……泣いてたから」
結局、いつまで経っても友里亜しか見えてなかった直人。
友里亜の涙が気になってここまで来たんだ?
なのに、友里亜ったら
「な、直人には関係ないよ。平気だからほっといて」
なんて言う。
直人の前では意地っ張りになるんだから、不思議。
けど、いつになく真面目な顔をした直人は
「ほっとけないよ」
呟くように言った。
「ほっとけたらどんなに楽かと思うけど、ほっとけないんだよ」
「だって、直人には杏奈ちゃんがいるでしょ?今日も杏奈ちゃんの家に行ったんでしょ?
は、鼻の下伸ばして嬉しそうに帰って行ったじゃない」
「は?俺がいつ鼻の下伸ばした?見てないくせに勝手なこと言うなよ」
「見てるよ!いつも、手鏡に映る2人が楽しそうに笑ってるもん」
友里亜……髪を整えるふりして、直人を見てたの?
「──俺を、見てたの?」
プイッとそっぽを向く友里亜に、少し期待した風な直人。
よく見れば、友里亜は、目だけじゃなくて、頬もほんのり赤く染めている。
「山本先輩とは、さっき別れたみたいだよ」
私が言うと、直人はさらに期待を膨らませた顔をして、目の前の女神を抱き締める準備を始めた。
パシッ!
なのに直人の伸ばした手を、汚らわしいものを見るような目で見て、本気で振り払う友里亜。
「友里亜、どっち?」
思わず直人より先に、私が声を上げてしまった。
好きなの?嫌いなの?
直人も、振り払われた手を切なげに見つめてる。