時を超えた愛~新選組と私~【完】

一度は仲間になった人を殺さなきゃならないなんてね…。


でも、やらなきゃ近藤さんが、やられちゃうから…。


こうして伊東さん暗殺計画が進められた。


慶応3年11月18日


近藤は資金の用立て国事の相談があるとの口実で、七条の妾宅に伊東を招いて酒宴を張り帰路に待ち伏せて伊東を暗殺した。


後に、これが有名な油小路事件である。


「原田さん、永倉さんっ」


とある朝、あたしは二人を呼び止めた。


「ん?莉世、どうした?」


「なんだ?左之からオレに乗り換えるのか?」


永倉さんって、いつもこうだよね…。


「お二人に話したいことがあるんです」


あたしの真剣さに二人も、ちゃんと聞く態勢になってくれた。


あのことを言わなくちゃ。


二人が離脱することを…。

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