狂奏曲~コンチェルト~

「かなめ、昼食べに行こう」
「あ、うん」

 新に促され、私達は食堂に向かった。


「何食べよう」
「そうだねー」

 食堂に入って、空いている席を見回したとき、灰色の頭が視界に入った。

 どきっ……

 それだけで、どうしようもなく動揺する。

「かなめ?」
「あ、なんでもない。早く注文しよう」

 私は翼君の姿が視界に入らないように座った。

「あ、あれ、かなめのお兄さんの友達だっけ?」
「えっ」

 新が翼君を見て言った。

「ほら、あの灰色の人」
「本当だ、翼君……」

 まるで今気づいたかのような台詞を吐いた。
 内心は、翼君のことが気になって仕方がないのに。

「ほら、早く食べなきゃ次の授業始まっちゃうよ」
「そうだな」

 私は新を促した。
 新が食事の載ったトレイを持って戻ってきたとき、おもむろに口を開いた。
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