狂奏曲~コンチェルト~

「会ってないよね?」

 かなめが、すがるように俺を見た。


 なんて、答えればいいんだ……?

『会ってないよ、なんでそんなことを?』
 そう答えればいいだろう?

 でも、なんで俺はとっさに答えられないんだ?

「…………」

 そうか、俺は……


「何言ってるんだ? 大学で初めて会ったんだろ?」

 俺の言葉に、かなめが微笑む。

「そうだよね」


 俺は、かなめに忘れられたことが悲しいのか。

 幼い頃から一緒にいた、最愛の幼馴染み。
 十年以上の時間を、一緒に過ごしてきた最愛の人。

 たくさんの思い出があったんだ。

 笑顔も、涙も、一緒に分かち合ってきたんだ。


 それを、俺が奪った。

 忘れてしまったかなめが悪いんじゃない。
 俺が、悪かった。

 だけど、


「かなめ」
「うん?」
「これからたくさん思いで作ろうな?」

 俺がそう言うと、かなめは本当に嬉しそうに笑ってくれた。

「うん!」

 俺はかなめの頬に触れる。

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