狂奏曲~コンチェルト~
目立つ容姿の俺が、美女と称されているほのかと一緒に歩けば、いろんな視線が俺達に向く。
ほのかを連れて歩いていることへの羨望、女達の値踏みするような視線、男達の嫉妬の視線――いろんなまなざしが俺達に向けられる。
そんなに俺がいいか?
罪を犯し、贖罪の十字架を背負った俺を知ったとしても、それでもお前達は羨むのか? 俺を求めるのか?
俺には、ほのかの気持ちが理解できない。
ほのかは、俺がかなめに何をしたのか知っている。
付きまとうほのかを疎ましく思った俺が、ほのかに真実を話したのだ。
しかし、ほのかは俺と一緒にいることをやめなかった。
ほのかは言った。
それでも自分が傷つけられたわけじゃないから、と。
俺は、それはおかしいと思う。
俺がほのかを選ばなかったら、結局ほのかは傷つくのだから。
そして俺は絶対にほのかを選ばない。
もしも、俺がかなめと出会っていなくて、そしてほのかと出会っていたら、きっと俺はほのかを選んでいただろう。
だけど現実には、俺はかなめに恋をして、傷つけて、己を呪った。
そんな俺に、ほのかは似合わないのに。
俺には、それでも俺と一緒にいるほのかの心がわからない。