狂奏曲~コンチェルト~
「お兄ちゃんてば、いつもの待ち合わせの場所にいないからどこにいるのかと思えば、こんなとこにいるし」
「ああ、翼と久しぶりに再会したからな、男同士の積もる話があったんだよ」
有紀の言葉に、かなめはきょとんとして、
「久しぶりに……? 大学からのお友達じゃないの?」
「いや、引っ越す前の地元の友達だ」
「おい、有紀……」
有紀の言葉に、気が気ではない俺。
「引っ越す前の? それなら私も前から知っててもいいのに。こんな目立つお友達今まで知らなかった」
無邪気に笑うかなめは、あの頃と何も変わってはいなかった。
あの頃に戻ったような錯覚を覚えて、俺は微笑んでいた。
微笑みながら、泣きそうになった。
「あ」
かなめが俺を見て、
「二階堂さんの目、凄いきれい」
言った言葉に、俺は凍りついた。
そんな俺をよそに、かなめは笑顔で、
「灰色かと思ったら、青く見えるんだね」
かなめ、お前は俺を狂わせる。
抱きしめたい。
かなめ、俺はお前だけを愛してる。