狂奏曲~コンチェルト~

「ここで何してるんだ?」

 二階堂さんは、わざわざ私に近づいて話しかけてくれた。女の人も二階堂さんと一緒に近づいてきた。
 一瞬、女の人に睨まれた。

「初めまして、本郷さん」
「おい、ほのか」

 明らかに棘のある声で言われ、私は怯んだ。
きっと二階堂さんから私の名前を聞いていたのだろう。
 二階堂さんが、迷惑そうに彼女を見た。
 そして心配そうに私を見る。

 どき……

 本当に、綺麗な瞳。

「ごめんな。こいつは冴島ほのか」
「えっと、二階堂さんの彼女?」
「違う」

 ほのかさんは不機嫌そうに私達を見ている。

「あの、二階堂さん? 副島教授の部屋って知ってる?」
「ああ。でも、なんで?」

 とても優しい声音。
 青く光る綺麗な瞳が、優しげに細められている。
 やっぱり、とても綺麗。
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