狂奏曲~コンチェルト~



 教室に入ると、ほのかが心配そうに俺の顔をうかがっていた。
 眉をしかめて、ほのかを見る。

「なんだよ」
「ううん、なんでもない」

 俺が話しかけると、安心したように俺の隣に来た。
 俺は、少しだけほのかの気持ちがわかったような気がした。

 叶わないとわかっても、想う気持ちを止められない。
 きっとほのかも俺と同じなのかもしれない。
 そう考えると、ほのかのことを邪険に扱えなかった。
 かなめのことを、好きで好きでたまらない俺。
 俺のことをずっとずっと思い続けているほのか。
 何もかもを忘れて、俺にまた笑顔を見せてくれるかなめ。
 複雑に絡み合った想いは交わることがない。

 そうだとしても、俺はかなめに近づきたかった。


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