狂奏曲~コンチェルト~
「ちょっと、お兄ちゃん? 今どこ?」
『あ?かな? いやー、バイト長引いちゃってさ。翼が待ち合わせのとこで待ってるから、相手してやってくれよ』
「ちょっ?」
つー つー つー ……
「有紀、なんて?」
「バイトで遅れるって……」
ちょっと混乱する頭で、必死に考える。
「に、二階堂さんに、お兄ちゃんはなんて?」
「いや……今日付き合って欲しいと、それだけ……」
私は携帯を握り締めて確信する。
絶対に、絶対に、お兄ちゃんにはめられた!
何の意図があるか知らないけど、故意犯だ!
「かなめ」
「うえ?」
二階堂さんに話しかけられて、変な声が出てしまった。
それに二階堂さんはくすっと笑って、
「ここにいても仕方ないから、どっか行くか?」
「え……」
二階堂さんに言われ、少し迷った。
私には彼氏がいるわけで、二階堂さんは仮にも男の人。
休日に二人で一緒にいるこの行為は、デート……?
とすると、私は新を裏切っているような気分になる。