狂奏曲~コンチェルト~
『俺はお前がまたかなを襲うなんてこれっぽっちも思ってねぇよ』
「……言い切れるお前を尊敬するよ」
『この五年、お前は悩んだんだろ?』
悩んだという一言で言い表せないほど、俺は自分自身を責めた。
『そんなお前が、また同じ罪を犯すとは思えねぇよ』
「有紀……」
『同じことが起こったら、そんときは俺はお前をぶっ殺す。冗談抜きで』
そうやって笑う有紀が、妙に頼もしく思えた。
「そういえば、お前俺の目のことかなめに言ったのか?」
『なんだ、かなお前に言ったのか?』
「いや、俺の目の事知ってるみたいだったから」
確かに、喫茶店に入ったときかなめは色のことを気にしていた。
「本当は、かなめには知られたくなかったんだ」
『なんでだ?』
「もしも、こうなった原因をかなめが知るところになったら、かなめは気にするだろう?」
『お前な……目に障害があるとかじゃないんだ。お前の考え方次第で見え方は変わるだろ?』
確かに、心因性のものかもしれない。
それでも、過去は変えられない。