狂奏曲~コンチェルト~

「さ、いちゃいちゃしてないで、さっさと降りる」
「いちゃいちゃなんてしてないよ、お兄ちゃんの意地悪」

 笑いながら俺達は車から降りた。

「んじゃ、俺は逆だから」
「ばいばーい」

 俺とかなめは同じ方向なので、自然と並んで歩いた。

「かなめの彼氏は、同じ学科?」
「え?……ううん。理学部だけど、数学科なんだ」
「そっか」

 本当は他の男の話など聞きたくもない。
 だけど、かなめの気を引きたいから。

「かなめみたいな可愛い子に好かれて、そいつ幸せだな」

 幼馴染みだった頃は、恥ずかしくて言えなかった台詞を吐く。
 予想にもれず、かなめはその大きな目を見開いた。

「か、可愛いなんて……」

 恥ずかしそうに俯くかなめ。
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