狂奏曲~コンチェルト~

「ほら、やっぱり可愛い」

 俺はぽんとかなめの頭の上に手を置いた。
 かなめに触れていたい。
 だけど、怖くて手が震えそうになる。
 それでも勇気を振り絞った。

「翼君は買いかぶりすぎだよ」

 かなめははにかんで笑って、俺を見上げた。
 拒絶されなかったことに安心して、そっと手を離した。

「翼君は、好きな人とかいないの?」

 かなめが、意外なことを訊いてきた。
 俺は驚いてかなめを見た。

「あ、いや、なんか気になったから」

 そうやって俯くかなめ。
 抱きしめてやりたいほど可愛かった。

「好きな人はいる」
「えっ?」

 かなめのことがずっと好きなんだ。
 だけど、

「その驚きようは何だ?」

 かなめがあまりにも驚いた顔で俺を見るものだから、からかいたくなる。
 可愛くて、愛おしくて仕方がない。
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