シュガーレスキス
 それに、あの人女性には全く不自由してないみたいだから、私が一人消えたところで全く痛くもかゆくもないのかもしれない。
 そう考えると、やっぱり私から彼を「愛してる」なんて言うのは自分のプライドが許さない感じがする。
 今まで散々好き放題されてきて、挙句に振られたとかなったら立ち直れない。

「あー、ハヤト様みたいな男性いないかなあ」

 私は自分の大好きなアニメキャラを思い浮かべて、仕上がった爪をじーっと眺めた。
 ハヤトは宇宙戦闘ものに出てくるアニメのヒーローで、他人に優しく自分に厳しい好男子だ。
 地球の為に自己犠牲的に戦う彼の姿は本当に胸を打たれる。
 彼以外には操縦出来ないロボットを操って、命を削りながら戦うハヤト。

 そのハヤトの姿と、毒を吐かずに黙っている時の聡彦が時々ダブる。
 あり得ないほど性格は違うのに、何故か寡黙に自分を律してるような姿を時々見せるから、そういうところに私は惹かれてしまう。
 最低なのに。
 あんなに最低なのに……私は結局聡彦が好きなんだ。

 それを再認識して、ガクッと首を曲げた。
 でも、いくら好きでもああいう関係はもう終わりにしたい。
 だから悲しいけれど私はこれから聡彦からの連絡は無視する事にした。
 週1か2週に1回携帯に入る聡彦からのメール。
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