空の果てへ
「玖於」
「・・・?はい、何でしょう?」
いきなり、土方さんが話しかけてくるものだから、かなり驚いた。
粉塵の舞う戦場で、土方さんが声をかけてくるなんてほとんどなかったから。
「おめぇ、付いて来るつもりだろう?」
ギクリ、と肩が揺れる。
さすが、副長。
「はい、付いて行きますよ。
・・・どこまでも」
やっぱりな、と土方さんは苦笑した。
俺は、近くで亡くなった兵士の馬に跨る。
しばらくの間、落ち着きを見せなかった馬も、だんだんと静まってきた。