空の果てへ


随分と、長い永い夢を見ていた気がする。


新撰組との出会い、刀を振り回したあの日々、戦に巻き込まれる毎日。


人々との死別なんて、日常茶飯事で・・・


平成から来た俺には、到底考えられなかった毎日。


でも、それは確かに存在していた。


初めは、夢かと思っていた。


でも、夢じゃなかった。


長いこと閉じていた、重たい瞼を開く。



「・・・玖於!?」



動かない身体から、首と目だけを動かして、その声の持ち主を探す。


そこには、顔を泣きそうに歪ませた土方さんの姿があった。



『土方さん』



そう、声に出そうにもパクパクと口が動くだけで、息が漏れていくだけ。


< 202 / 221 >

この作品をシェア

pagetop