空の果てへ


そんなに、眠っていたのだろうか?


土方さんは、俺が意識を失った後のことを教えてくれた。


屯所付近には官軍がいる可能性がある。


だから、土方さんの恋人・・・神楽さんの家へと向かったそうだ。



「柚がな、俺が家に入ってくると死人でも見たような顔してんだよ。

それで、何て言ったと思う?

『歳さん、何で生きてるの?』って言ったんだよ」



戦死報告書を握り締めて、信じられないというような顔をして。


でも・・・その戦死報告書を柚さんに送ったのは誰なのか。


あの状況では、誰も俺達が撃たれたことに気付いている人は・・・



「あの戦死報告書はな、大鳥さんが送ったらしい。

総指揮官だったからな・・・全部、状況は把握出来てたんだとよ」



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