好きだって言ってんだろっ。
誤解
一人空き教室に残された樹里は今起きたことを整理出来ないでいた。

・・・。なんだったの?

高梨君つらそうな表情してた。

辛いのは昔の私じゃないの?

なんで悲しそうなの?

「でも、もう教室には戻れそうにないな。」

騒がしい廊下の声を聞いて私は一人つぶやいた。

なんか疲れたな。頭がぼーっとする。

とりあえず保健室に行って騒ぎがおさまるのを待とう。

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一人保健室にやってきた私。

“ボフッ”

誰もいない保健室のベットに倒れこむ。

「はぁ。」

たった一つのため息だけが教室内に響いた。

身体がだるい。

明日どうやって教室に入ろう。

絶対みんなにいろいろ聞かれるだろうな。

・・・。

・・・。

一人考えているうちに寝てしまったようだ。

窓から暖かいオレンジ色の光が差し込む。

オレンジ色の光の向こうから部活をしている生徒の元気なかけ声が聞こえる。

「そろそろ帰らなきゃ。」

午後の授業サボっちゃったな。・・・。

明日先生に怒られるよー。やだなー。それでなくても行きにくいのに。

そして一人樹里は帰路についた。

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“ピロリンピロリン♪”

・・・。

“ピロリンピロリン♪”

・・・。

“ピロリンピロリン♪”


「んー。もう朝ぁー?何時だろ?」

「え?」

・・・。・・・!?

「きゃー!! 寝坊しちゃった!!やばっ!!」

朝から最悪だー。あぁーもうっ!!

思ってみれば高梨君が昨日変なこと言うのが
悪いんだよ!

そのせいでいろいろ考えて夜遅くまで寝れなかったし!

もう考えないことにしょう。

それがいい!!



それがいい・・・よね?きっと。

だってどうせまた昔みたいに私をいじめるために近づいたんだ。

暇つぶしに告白して、信じた私を馬鹿にしたいんだよ。

昨日のことは絶対、また私をいじめるためのネタ作りだったんだ。絶対そうだっ!!

もう私はいじめられたりしないんだから!!

私は、昔から高梨君なんて大大大嫌いだったんだから!!

あんな最低な人信じることなんて・・・・・・





・・・・・・・・・私には出来ない。

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