好きだって言ってんだろっ。
後悔と友
なんで俺あんなところでアイツに告ったんだ?
あぁーくそっ!
なんかもっとこう・・・。なんていうか、あれだよ!あれ!!えーっとロマンチックさとか、キザな台詞とか・・・。
「一生俺に味噌汁作ってくれ!!」とか?
・・・。
とにかく、かっけーことだよ!!
・・・・・・。
俺なんて言ったっけ・・・?
・・・。うーん。
緊張しすぎて覚えてねー・・・・。
最悪だ。
アイツ昔と全然違っててなんか話しかけづらいんだよな。
昔なんか髪の毛おかっぱでよくアイツのこと樹里ガッパなんて呼んでたっけ?
あとすんげーチビだったからチビ樹里とも呼んでたっけ?
よく考えてみるとガキの頃の俺って嫌われるようなことしかしてねーじゃん!!!
最低じゃん・・・。
嫌われて当たり前だ。
それにしてもつまんねークラスだな。
やっぱ、樹里がいねーとな・・・。
こんなことで俺アイツのこと忘れられるのか?
*********************
“キーンコーンカーンコーン×2”
やっと午前の授業が終わった。
今日ギリギリの時間で教室に駆け込んだ樹里。
そのおかげで、クラスの友達の質問ラッシュにも遭わなくてすんだ。
「はぁー。遅刻するかと思ったよー。」
「でもギリギリセーフで助かったんじゃないの?」
「まぁそうだけどさぁー。」
「でっ?昨日告白でもされたかぁ?www」
「・・・。」
えっ!?なんで真由ちゃんわかったの!?
私何も言った覚えないのに!!
「図星かぁ~?」
「・・・。誰にも言わない?」
「何言ってんの。私を信じて!何年あんたの友達やってると思ってんの?」
「信じて無いわけじゃないけど・・・。」
私と加藤 真由(カトウ マユ)ちゃんは中学2年からのお友達。中学生活初めてのクラス替えがあって、新しいクラスで初めてできた友達が真由ちゃんだったの。それからどんどん仲良くなって無事に同じ高校にも入学できた!
だから私、合格発表の時の喜びは2倍だったんだから!!
真由ちゃんは黒のストレートロングの髪の毛、
モデルみたいな長い脚、それに大人びた顔立ちわたしの憧れなんだ♪
「じゃあ、話してみ?相談乗ってあげるから。」
「はーい。やっぱり真由ちゃんにはかないません。」
「当たり前でしょ!!樹里の一番の友達なんだから。」
「うん!」
「で?昨日は高梨君だっけ?彼と一体何があったの?」
「えーっと、真由ちゃんと移動教室から戻って
来る時に高梨君が私の教室の前にいて、私小さい頃高梨君にいじめられてて・・・。会いたくなかったから逃げようとしたら腕掴まれちゃって、・・・///お、お姫様抱っこで空き教室に連れて行かれたの。」
「ふむふむ。樹里いろいろ大変だったのね。」
「うん。それで教室で昔のこと謝られて・・・。」
「よかったじゃない!これで仲良くできるんじゃないの?」
「ううん。問題はこれからなの。」
「一体どうしたって言うのよ。」
「・・・。高梨君に好きだって言われた。でも私信じられないの!どうせまた私のこといじめるつもりなんだよ。」
「・・・。じゃああのうわさは・・・・・!!」
「え?うわさ?なにかうわさあるの?」
「い、いや。なんでもないよ!」
「なーんだ。変な真由ちゃんwww」
・・・・・・。
ちょっと待って。樹里が言ったことが本当だとしたら。
あのうわさ・・・・・・。
“高梨 仁は好きな女を追って転入した”
あれは、もしかしたら・・・!!