あなたのキスで世界は変わる
先生…大好きだったよ。
ひとしきり泣いて疲れた私達はいつしか眠っていた。
私を抱きしめたまま眠っている先生の腕をすり抜ける。
「…まだ暗い…」
カーテンを開けると夏の夜空が広がっていた。星がすごく綺麗。
そんなに時間は経ってないのか…
隣でスヤスヤ眠る無邪気な先生の頬に触れ、溢れる愛しさを噛み締めた。
「じゃあね、先生…」
最後に置き手紙だけ残して、荷物をすべて持つと私は家を出た。
先生が目覚める前に出よう。
そうしないと離れられない。
もう戻ることはないんだなって思うとまた涙が出そうになったけど。
…ありがとう。
先生は最後までバカでした。