上司と上手につきあう方法【完結】
イヤな予感に胸の奥がざわつく。
「――彼は、なんて?」
恐る恐る尋ねると、
「学生時代、同じサークルだったって」
と、当たり障りのないことを言う伴ちゃん。
なーんだ……。
思わず気が抜けて、超笑顔になってしまった。
よかった、朝陽がバスの中でおかしなことを触れ回ったりしないで……。
ホッと胸をなでおろした私だけど、同時に距離は適度に保っておいたほうがいいだろうと改めて確信した。
あの朝陽のことだ。面白半分で私のプライベートを引っ掻き回すかもしれないしね!
「それ聞いても、女子が追及の手を緩めないから、山本さん苦笑してましたよ」
「だとしたらそれは自業自得よ! あの人、周囲にいい顔しすぎなんだから。他人に自分を好きになってもらうのが大好きだけど、その後の責任なんかまったくもたない人なんだからっ!」