上司と上手につきあう方法【完結】

馬鹿っ、もっと気の利いたこと言えないの!?と、内心つっこみを入れたその瞬間。部長が何かを決心したように顔をあげ、それから私の顔をしっかりと見つめ、口を開いた。



「ダブルベリーを辞めるつもりでいる」



一瞬、本当に、何を言われたのかわからなかった。


目の前が真っ白になって。それまでうるさいくらい聞こえていた波の音も、自分の心臓の音も、聞こえなくなった。



「平尾には言っておきたかったんだ」



まっすぐに私を見つめる部長の瞳は、嘘もない、冗談を言っているわけでもない。本当にきれいな瞳だった。



「……」



何かを言おうとしても、唇が動かない。

言葉が出てない。



世界から音が消えたような気がした。




< 170 / 361 >

この作品をシェア

pagetop