上司と上手につきあう方法【完結】
馬鹿っ、もっと気の利いたこと言えないの!?と、内心つっこみを入れたその瞬間。部長が何かを決心したように顔をあげ、それから私の顔をしっかりと見つめ、口を開いた。
「ダブルベリーを辞めるつもりでいる」
一瞬、本当に、何を言われたのかわからなかった。
目の前が真っ白になって。それまでうるさいくらい聞こえていた波の音も、自分の心臓の音も、聞こえなくなった。
「平尾には言っておきたかったんだ」
まっすぐに私を見つめる部長の瞳は、嘘もない、冗談を言っているわけでもない。本当にきれいな瞳だった。
「……」
何かを言おうとしても、唇が動かない。
言葉が出てない。
世界から音が消えたような気がした。