上司と上手につきあう方法【完結】
浴衣ごしの自分の熱に、驚き言葉を失う。
そして部長は無言で、そのまま腰を下ろし、膝の上で両手を祈るように組み、うつむいた。
唇を引き結んだ部長の端正な横顔。
さらさらとした黒髪が風に揺れる。
眼鏡を外した部長。
以前彼の部屋に行ったとき、見たのが最初だったっけ……。
華奢というわけではないけれど、すらりと長い首。襟足もきれいで、なんだか眩しい。
だけどどうして私、こんな目で彼を見ちゃうんだろう……。
今までずっと、ただの上司だったのに。
「――社員旅行に参加するのは、実は二回目なんだ」
「えっ、ああ、そうなんですか……」
突然そんなことを言われて、そうですかとしか言いようがなくて、間抜けな返事をする私。