上司と上手につきあう方法【完結】

浴衣ごしの自分の熱に、驚き言葉を失う。


そして部長は無言で、そのまま腰を下ろし、膝の上で両手を祈るように組み、うつむいた。

唇を引き結んだ部長の端正な横顔。
さらさらとした黒髪が風に揺れる。


眼鏡を外した部長。

以前彼の部屋に行ったとき、見たのが最初だったっけ……。


華奢というわけではないけれど、すらりと長い首。襟足もきれいで、なんだか眩しい。


だけどどうして私、こんな目で彼を見ちゃうんだろう……。

今までずっと、ただの上司だったのに。



「――社員旅行に参加するのは、実は二回目なんだ」

「えっ、ああ、そうなんですか……」



突然そんなことを言われて、そうですかとしか言いようがなくて、間抜けな返事をする私。



< 169 / 361 >

この作品をシェア

pagetop