上司と上手につきあう方法【完結】
「――だけど、お前にはたくさん救われたよ。ありがとう」
「っ……」
「気遣ってくれてるのは、最初からずっとわかってた。何も返せないのに、俺なんかに優しくしてくれて、ありがとう」
部長の言葉は、まっすぐに私の胸を突いて、えぐり、血を流させて、それでもなお甘く、切なく、私を傷つけた。
駄目だ。
駄目だ。
今私は間違いなくフラれている真っ最中なのに
本気で恋に落ちていっている。
「もう、いいですっ……」
くやしい。
フラれたのに、恋に落ちてしまった。
部長を好きになってしまった。