上司と上手につきあう方法【完結】
「部長、マンション、どこですかー」
「うん……あっち」
「あっちじゃわかんないですねー……もうちょっと詳しく、お願いします!」
「うん。そこ」
「――」
細身に見えて、案外がっしりしてるんだなって――
素の部長ってもしかして可愛い?とかそんなこと考えちゃって――
いや、今はそんなことはどうでもいい。
私はため息をつきつつ、抱えた部長の横顔を見つめる。
何よりも、調子に乗って飲ませた私が悪いのだけど、ここまで飲む部長も部長だ。
いつもの彼らしくない。
会社の飲み会じゃいつも節度を守って飲んでいたというのに。
ちょっと、休憩しよう。
ぜえぜえと肩で息をしながら進路を変え、ふと目に入った小さな公園の遊具(パンダ)の上に部長を座らせる。