上司と上手につきあう方法【完結】

それからお互い無言の時間が、しばらく続いたあと、私の頬に手を置いたまま、ゆっくり部長が体を近づけてくる。



「いいか……」



ほんの少しかすれた声で、部長が私に問いかける。


いいかって。
玄関じゃ散々キスしたのに……どうして今さらって思ったけれど。

いや、そうじゃないよね。これはそれから先に進んでもいいのかって、部長の最終確認なんだって気づいて、一瞬で喉がカラカラになった。


真面目に私の返事を待つ部長の顔は、思春期の少年のようにどこかあどけなく、不安定に見える。


どうしてそんなに不安そうなの。

何が怖いの?


そんな顔、させたくないよ……。



私は咄嗟に目を閉じ、彼の首の後ろに、自分から両腕をまわしていた。


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