上司と上手につきあう方法【完結】
――――……
カツカツカツ……
早朝の静かな階段に、ヒールの音が響く。
今朝はエレベーターを使わず、階段を利用した。
前傾姿勢になり、駆け足で階段をのぼっていると、そういえばやる気に満ちた新入社員の頃は、こんな感じで階段かけのぼってたな、なんて思い出して懐かしくなる。
「おはようございまーす!」
フロアに続くドアを開け、部屋全体に響き渡るくらい大きな声で挨拶すると、出勤していた皆々が、口々に挨拶を返してくれた。
「おはよー!」
紗江子が私の顔を覗き込んで、ホッとしたように微笑みかけてくる。
「美琴、体調戻ったみたいね?」
「ああ、うん。もう大丈夫。昨晩はクスリを飲んで、たっぷり寝たから」
部長の家で……。
と、心の中で追加し、バッグをデスクの上に置く。