上司と上手につきあう方法【完結】
熱くて大きな体にのしかかられて、一瞬訳がわからなくなる。
けれど彼の端整な顔が近づいてくるのに気付いて、ようやく頭が回り始めた。
ま、マズイ!
なに私、ボーっとしちゃってたわけ!?
慌てて部長を押し返そうとしたけれど、間に合わないまま、部長の唇が、ぶつかるように重なった。
「っ……!」
キスしたなんて可愛いもんじゃない。
唇がカッと熱くなって、そのあと痛みと、じわっと血の味が広がる。
歯が当たって、唇、切れたんだ。
もーーっ!!!!
信じらんないっ!!!
「ぶ、ちょっ……」
下から両手で部長の肩を支え、ぐーっと押し返すと、部長の体からふっと力が抜けて、そのまま床にゴロンと転がる。