上司と上手につきあう方法【完結】
「はぁ、はぁ、はぁ……」
肩で息をしながら、どうにか上半身を起こし、床にうつ伏せになって寝転がっている部長を見下ろした。
どうも完全に意識を手放したらしい。しっかりと目を閉じた彼はピクリとも動かない。
男のくせにまつ毛が長くて濃くて羨ましい……じゃなくて!
キス、しちゃった……。
唇に触れると、やっぱり切れていた。指先が血で汚れる。
いや、これはキスじゃない。事故だ。うん。
「もうっ……なんなのよ、いったい……」
思わず大きなため息をついていた。
部長も飲みたい気分だったって、そういうこと?
彼女にフラれちゃったの?