上司と上手につきあう方法【完結】
前回没を食らってから、新しく練り直しているもので、来週ある企画会議に出すつもりだった。
(その前に部長に没を食らわなければ、だけど)
「そっかぁ。じゃあ、お先に」
「お疲れ様。気を付けてね」
そのうち、最初は三分の一ほど残っていた社員も、ぽつりぽつりと数が減っていく。
九時になり、社内が省エネモードに切り替わって、天井の明かりがいくつかが落ちる。
部屋が薄暗くなったことに気付いて、キーボードを叩く指を止めた。
申請をしなければ、十五分後にはすべての照明が落ちてしまうことになる。
どうやらいつの間にか一人になってしまったらしい。
正直、気分がのっていないこともあって、企画書もある程度進んだような、そうでないような……。
無駄なサービス残業だったことは、自分の目にも明らかだった。