上司と上手につきあう方法【完結】

前回没を食らってから、新しく練り直しているもので、来週ある企画会議に出すつもりだった。
(その前に部長に没を食らわなければ、だけど)



「そっかぁ。じゃあ、お先に」

「お疲れ様。気を付けてね」



そのうち、最初は三分の一ほど残っていた社員も、ぽつりぽつりと数が減っていく。


九時になり、社内が省エネモードに切り替わって、天井の明かりがいくつかが落ちる。

部屋が薄暗くなったことに気付いて、キーボードを叩く指を止めた。

申請をしなければ、十五分後にはすべての照明が落ちてしまうことになる。


どうやらいつの間にか一人になってしまったらしい。

正直、気分がのっていないこともあって、企画書もある程度進んだような、そうでないような……。

無駄なサービス残業だったことは、自分の目にも明らかだった。




< 61 / 361 >

この作品をシェア

pagetop