上司と上手につきあう方法【完結】
届く、届かない……
いや、届く!!!
(でも背中がつりそう!)
なんて、無茶なやり方で自分を励ましていると――
「店員、呼べばいいのに」
誰かが呆れたようにささやいて、私の手の先にあった本を抜き取る。
「あ……」
思わず息を飲む。
だって私の隣に立っていたのは朝陽だったから。
相変わらずグレーのテーラードジャケットをセンス良く着こなした彼は(おそらく初日だけスーツだったんだろう)どこか焦れたように、持っていた本を私に押し付けた。
「あ、ありがとう……」
フロアが違うから、意識して避ければ会わないと思ったのは間違いだったようだ。
とりあえず差し出された本を受け取って、彼の視線から逃げるようにうつむいていた。