上司と上手につきあう方法【完結】
明らかに切れかかっている私と、そしてそれをさして気にしていない雰囲気の朝陽。
本気って……
あまりの手ごたえのなさに、膝からガクッと崩れ落ちそうになる。
「――行こうか」
彼はにっこりと微笑むと、私の手を取り歩き始めた。
気が抜けていた私なんか、いとも簡単に彼のレールに乗せられてしまう。意図しない目的地へ連れて行かれてしまう。
ちょっ、ちょ、ちょ、ちょ、ちょっと待ってーーー!!!!
「あ、朝陽、待ってったら!!」
引きずられるように書店を出て、歩く朝陽の背中に呼びかける。
「ん?」
「ん、じゃなくて! 私、朝陽の家に行くつもりないってこと!」
しっかりと繋がれた手。ぬくもり。広い背中と、首から肩へ続く、シャープなライン。
風になびく彼の柔らかそうな髪を見ていると、懐かしさが一瞬今私がどこにいるのかわからなくなってくる。