上司と上手につきあう方法【完結】
「俺ね、最近引っ越したんだ。すげー散らかってて」
「どうでもいいし!」
こんな風に混乱したくない。
切ない『思い出』を『今』と混同したくないのに!
「本をあげるかわりに、部屋の掃除手伝ってよ」
「っ……!」
朝陽は肩越しに振り返って、いたずらっ子のように目を細める。
クラッと目眩がした。
もう、絶句だ。絶句。無茶苦茶すぎる。
本なんかいらないのに、そのお礼に部屋の掃除をしろ?
相変わらず強引で身勝手な朝陽。
どうして私が、フラれた私が、振り回されなければいけないんだ!
馬鹿にされてる……。
沸々と怒りが込み上げて来て、悔しさのあまり涙すら浮かぶ。
そんな私に気付いたのかどうかはわからないけれど、朝陽は特に動揺した様子もなく、淡々と言葉を続けた。