天使みたいな死神に、恋をした
「……だったら」
「だったら? ああ、なにかとても嫌な気がしますが」
「だったら、やることないんだから私も連れてってよ」
こんな陰気なところで一人で何してろっての? 怖いじゃないか。こうなったらやっぱりいろいろ見てやる。どうせ何も出来ないならじっとしててももったいない。何してても一緒ならとりあえず一人でいるよりはくっついていた方が安心だ。
ルーインからの連絡を待っている間、一人でぼーっとあの暗い部屋にいる間にこの世のものと思えないナニカが来るとも分からない。
「ああ、やはりそうきましたか。別に何も起こりませんが、仕方ないですね。めんどくさいですけど、もう仕事に行かなければなりませんので、はい、どうぞお入りください」
ローブの前を開けた。
白い身体を隠すようにこれまた黒い服に身を包んでいた。
何が悲しくて死神の懐に入らなければならないのか。
「私と一緒にいなければこの家からは出ることができませんよ。残りたいのならどうぞご自由に」
「私一人じゃここから出られないってことなの?」
「はい」
「じゃ、もし外に用事があって出なければならないときとかどうするわけ?」
「……私のところに用事があるとは思えませんが」
「……そ、そうだけど、万が一だよ」
「そんなもんありませんからご安心を」
確かに用事は何もないけど、一人でいたいような気分じゃない。