天使みたいな死神に、恋をした

「このまま飲み続けて、翠さんが言うところの時間が過ぎて、体に戻るリミットを越えてしまったらどうします?」
 
 唐突に言ったアンジュラの言葉に一瞬の空気が凍りつく。
 
 どうしようか。

 今この状態で答えを出すとしましたら、ここにいてもいいかな。

 アンジュラと一緒にいたいな。

 私アンジュラと一緒にいたいんだ……気づいちゃった。今。


「お前らさっきからくだらねーことばっか言ってんじゃねーぞ」

 割って入って来たのは、どこからともなく音もなく現れた天使。てかそりゃそうだ、ここはルーインの縄張り。私たちが飲み散らかした缶をせっせと片付けながら、睨みつけられた。

 自分の陣地は綺麗にしておきたいのか、それとも何か他にあるのか知らないけど、掃除に精を出す。

「何くだらないことって。ルーインはさ、私と離れちゃったら寂しくない?」
 
 酒とは怖いものです。なんとでも言えるようになる。
 思ってもいないことですらね。
 
 悪魔の水だ。

「ぜんっぜん」
 
 目の前で手をぶんぶん振って、これっぽっちも思わないと付け加えた。
 少しくらいは『そうだね、寂しいね』くらい言う気遣い的なものは無いのかね。

「無い無い」
 
 缶を拾いきったルーインはそれをどっかへ持って行き、またすぐに戻って来た。


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