天使みたいな死神に、恋をした

「いいかお前、良ーく、良ーーくな、良ーく考えてみ? その無い頭をフルに振り絞って使ってちゃんと考えてみて」

「うるさいねちょっと。そして若干言い過ぎだよ。そこまで言ったら私可哀想でしょ」

「お前がここに残ったとしたら、ここにいるこの薄気味悪い死神と一緒になるってことだぞ。それでいいのか」
 
 薄気味悪い呼ばわりされたアンジュラは何とも思っていないのか、缶ビールが残っていないかを探している。

 ルーインのその綺麗な指でアンジュラの胸元をトンと指す。

 血色の良い指はアンジュラのそれとは雲泥の差。

「それって決まってるわけ?」
 
 不思議なことの一つ。
 それ、決まっちゃってるわけ?

 別にそうじゃなくてもこっちでなんかしら仕事的なものは与えられたりしないの?

 そんなシステムだってありそうなんだけど。

「まだ言ってなかったことだけど、というよりはむしろ言うことはないと思ってたんだけど、なんか良からぬ俺の感が働き始めてるから先に言うが、お前がここに残る方法は二つしかない。例えここに残るとしたらの話だぞ」

「例えとおばけは出たことないよね」

「それなんか少し違うんじゃないのか? 霊だってちゃんといるし目の前に違う世界の住人がいるの「見えるだろ」
 
「ああ、そうなんだけどね。ちょっとしたたとえ話だよ」

「めんどくせえやつだ。それにだ、アンジュラと一緒になった場合、もう完全にほかの世界で生きる道が無くなる。未来永劫こいつと一緒だ」

 そんなことを言われたアンジュラは小さく頭を下げて、酒をあおった。
 良く分からないけど、今までいた私はもう帰ってこないんんだから、大した差はないでしょ。

 そしてだ、このルーインが言った、『俺の良からぬ感』はもう少し先で遺憾なく発揮されることになる。

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