天使みたいな死神に、恋をした
「ルーインどうしよう本当に戻れないっぽい」棒読み。
「ぽいじゃねえ。確実だよ」
「戻りたいんですけど」 今更ながらに本気で。
「だから初めから戻っとけばよかっただろうが」ちっと舌うちをした。
「だって」
「だってじゃねえ。本当にこれやばいぞ。俺、知らねえからな」
「天使でしょ!」
「天使だからって全てのものが優しいとかなんとかしてくれるって思ってんじゃねーぞ。しないのもここにいる」
「っ……!!!」
この天使は恐ろしいことを言い放ちましたけれども。
「どうしよう」すがれるのは今のところ目の前にいるこれしかいない。
「なんでこうなったんだろ」
踏んづけてる自分のお腹辺りに視線を落とし、考えてみる。
何か悪いことした?
いや、してないと思う。
たぶん。
きっと。
うん、そう、してないと思う。なのになんで戻れない。