天使みたいな死神に、恋をした
私とこのエセ天使が言い合いをしているそのさなか、
白い顔を(たぶん)更に骨のように白くしたアンジュラが私たちの間に走り寄って来て思い切り真ん中に割って入った。
気がした。
だって、厳密には顔は見えないから。焦っているその雰囲気でなんとなくそんな感じなんだろうなって思った。
「すみませんがこの白くて素敵な空間に真っ黒いベルベットってぜんぜん合わない気がする」
今すぐに去ってくれと願いながら冷たく言う。
「すみませんね。ここは私の管轄外なので」
ちょっとむっとしてるアンジュラの顔は、やはりどうあがいてもフードの中に隠れていて見えない。
「おまえ、口悪いんだな」とは天使の言葉。いやそうじゃなく、口が悪いんじゃなくて性格がきついのと言っておきたい。
「ルーイン、ちょっとやっかいな問題が上がりましたよ」
「やっかいな問題ってこれのことか。まさかとは思ったが、やっぱそうなるのか」
指を指されたらあまりいい気持ちにはならない。
「はい。この件はちょっと上に届けるにはあれだと思いますよ。できればこれはこっちでなんとかしないと」
「俺たちのミスってことになるな」
「認めたくはありませんが、そうなります」
「あいつは?」
「次へ行っちゃいました。調べたら連絡するとは言ってましたけど」
「勘弁してくれよ」
「どうしましょうねぇ」
「どうもこうもねーよ。こうなったらちゃっちゃとこいつを送ってしまえば丸くおさまる」
「あぁ、それが一番ですがあなた仮にも天使なんですよ。その考えをここで言ってしまってはあまりよろしくないんじゃないのかと」
「ま、まあ、ここにはお前と俺しかいないんだからなんとでも言えるわな」
「そういうことにしておきましょうか」