天使みたいな死神に、恋をした
「こんな小さいところから? もしかして覗くわけ?」
「まさか」
くすりと笑ったアンジュラは、血色の悪い白い手の平をそのスマホ画面サイズの光の上にかざした。
本を重ねて置くときに出る『ぽふ』っていう音が耳に届くと、その光は一瞬小さくなり、次の瞬間には春の風のような柔らかくて温かい強めの風が勢いよくその光の中から吹き付けてきた。
私の髪の毛は容赦無く後ろに流されて、徐々に増すまぶしさに手の甲を目の前にかざし、顔を左に傾けて、目を閉じた。
更に強くなってきた風が私の身体を真っ暗な闇の中へ飛ばしにかかる。
腰辺りをぐっと掴まれて、引き寄せられた。
風を避けるように目を開けると、分厚い黒いヴェロア素材に似た肌触りの良い黒い波が私の左の頬に触れている。
それがアンジュラが身に纏っているローブだということに気付くのに時間はかからなかった。