フレンズ
「絶対、だめだ。おまえ、命を何だと思ってるんだ」
カズが、声を荒らげた。
へぇ・・・カズって、こんな熱いとこ、あったんだ
・・・なんて、妙に、感心してる場合じゃない
「あんたね、でも、現実、ムリだよ・・・」
私は、カズの話をさえぎった。
カズは、いったん黙った。
私はそんなことより、正人に
電話するか
メールするか
それとも、何も言わないか
その三択で迷っていた。
ぐるぐるぐるぐる迷っていた。
「な、葉月・・・」
「・・・ん?」
検査薬と携帯を代わる代わる見つめながら生返事をする私を
包み込むような声でカズは言った。
「そしたら、その子ども、俺と一緒に育てたら、いいじゃん」