葉桜~late spring days
3限の体育から戻る途中、晴香から声をかけられた。遠くに泰一郎が2人のヒヨコちゃんと称したサックスコンビが見えた。呼びとめたのに勇気が出ないといった様子だった。晴香がおずおずと一度振り返ると、2人は知らんぷりをした。その様子がおかしくて、笑ってしまった。
「ごめん。面白いわ、晴香。」
「人が真剣に呼びとめたのに。」
「ごめんごめん。で?」
「えっと…あとでちょっと話がしたい。昼休み、時間もらえるかな?」
遠くにいるサックスコンビに目をやった。2人そろって何やら両手を合わせて拝んでいる。『奏太、頼む』って顔をしていた。おかしくてしょうがなかったけれども、笑わないようにした。
「大丈夫だけど…畑中と高城はいないところがいい。」
晴香の顔が不安で歪んだ。笑いをこらえながら、もうどんな答えでも驚かないという気持ちになった。どんな答えであったとしても、晴香とあの2人のフォローは忘れないようにしよう。
「わかった。じゃ、あとでね。」
それだけ言って、晴香は2人の元に走り去って行った。
今日も何とか笑顔でいれているならそれでいい。心からそう思った。
「ごめん。面白いわ、晴香。」
「人が真剣に呼びとめたのに。」
「ごめんごめん。で?」
「えっと…あとでちょっと話がしたい。昼休み、時間もらえるかな?」
遠くにいるサックスコンビに目をやった。2人そろって何やら両手を合わせて拝んでいる。『奏太、頼む』って顔をしていた。おかしくてしょうがなかったけれども、笑わないようにした。
「大丈夫だけど…畑中と高城はいないところがいい。」
晴香の顔が不安で歪んだ。笑いをこらえながら、もうどんな答えでも驚かないという気持ちになった。どんな答えであったとしても、晴香とあの2人のフォローは忘れないようにしよう。
「わかった。じゃ、あとでね。」
それだけ言って、晴香は2人の元に走り去って行った。
今日も何とか笑顔でいれているならそれでいい。心からそう思った。